航空ULDの種類とサイズ
Air Container
搭載貨物の大きさ、サイズ
現在、日本国内(旧共産圏の航空機を除く)を発着する航空機のほとんどは、運送用ULD(Pallet)に積み付けられ運送されています。従ってそのULDのサイズ、航空機の搭載DOORの大きさが、貨物搭載の可否を決めることになります。
基本的なULDのサイズ
(1)96inch(243cm)Pallet ULD
(2)88inch(223cm)Pallet ULD
*ULD:(Unit Load Devices) ※1inch=2.54cm
基本的には上記2点のULDが、各航空会社が使用する最もスタンダードなULDです。通常これらのULDを基準として搭載の可否、運賃等が決定されています。96/88はULDの外寸の幅をいいます。それに搭載ULDの長さ外寸125InchがPalletの大きさです。
ワンポイントアドバイス:約200cmを超えたら要注意!
長尺・大型貨物は扱いにくく、運賃・行程に制約が加わることがあります。
標準サイズパレットとの比較から、200cm超の場合はご相談ください。
貨物の高さと幅
通常、航空機搭載用のULDには、貨物を安定させるために積み付け後ネットを被せます(*)。
そのネットを張るための個縛フィッティングを固定するフィッテング受けの部分を引いた内寸(長さと幅)が通常搭載できる受託可能な貨物です。
*ネットを被せる時、貨物が動かぬようしっかり固定しますので、カートンなどは外側に来る部分の角が凹まぬよう梱包の際に注意が必要です。
貨物の高さ
上述のとおり通常、航空機に搭載する底辺が決まっているのと同じく、高さについても制限が有ります。これは、航空機の搭載DOORの大きさ、搭載する場所で決まっています。目安として、高さ160cmを超える場合は、旅客便ではなく、貨物専用機のサイズとなります。
搭載場所
貨物機
貨物専用機に関しては、その特性上、搭載場所によりMain deck / Lower deckに分けられます。
Main Deckは、通常、旅客便の場合に旅客が座る場所がそのまま貨物専用スペースとして運用されています。 航空機の上部は「かまぼこ」状になっており、その両端がかけている状態のまま貨物を搭載するため、必然的にその両端分の高さが制限されます。
旅客便・貨物便
Lower Deckは、航空機の下部、旅客便であれば旅客が座るシートの下にあります。 丸い胴体の航空機ですので、Main Deck同様、両端が削れています。
ワンポイントアドバイス:高さは160cmまで!
*標準サイズ旅客便の床下に搭載出来ない場合、運賃・行程に制約が加わることがあります。
Pallet当たりの貨物搭載重量
航空貨物受託に当たっては、大きさのほかに貨物重量に制限が有ります。通常貨物重量は航空機への搭載の場所によって細かく分けられます。一般的には、下記の重量がULD当たりの目安になります。これは航空機の機種、仕様により決まっています。
およその目安は
Lower Deck=大体1500.0~1800.0kgs(96/88inc)
Main Deck=大体2000.0~3000.0kgs(96/88inc)
1pkg当りの貨物重量に対する制限(搭載に関して準備が必要となるケース)
航空機に搭載する場合には、底辺(接地面積)の面積当たりの最大重量が定められています。これを「床面制限重量」と言います。これは航空機の機種によって決まっています。
概略として(B-747)
Lower Deck・Main Deck=約970KGS/M2
Main Deck=約1950KGS/M2(特殊)
さらに、ULD内での積み付けでは
ULDへ積み付ける時、1Package当りの貨物重量によっては、貨物がULD内で移動しないようにタイダウン(しっかりと固定)する必要があります。1100kgs以上の貨物には注意が必要です。
最後に…
近年、航空機の性能が向上するとともに、新機種の開発、オリジナル航空機のグレード・アップなど、貨物輸送に使用する航空機の種類も多種多様化しています。航空会社が運航する航空機の最大の使命は安全運航にあります。航空機事故は、その被害が大きいことから安全を阻害する要因が少しでも可能性のあるものに関しては、航空会社はその時点で搭載作業の一切を止めてしまいます。
貨物輸送においても、実際の搭載までに様々なチェックや検査が行われ、安全を確認した上で輸送されています。商船三井ロジスティクスは、重量物からその他の特殊貨物まで、さまざまな貨物を航空輸送する上での注意点などを、長年培ってきたノウハウとしてお客様にご提供しております。
航空輸送に関するお問い合わせは、商船三井ロジスティクスの営業担当者までご連絡ください。